
コンクリート構造物の安全性を確保するうえで、重要な指標となるのが「強度」です。
橋梁やトンネル、建築物などのコンクリートが十分な強度を持っているかどうかは、構造物の耐久性や安全性に直結します。
しかし、強度を確認するためにコンクリートを壊してしまっては、構造物としての役割を果たせなくなってしまいます。
そこで利用されるのがシュミットハンマー(Schmidt Hammer)です。
シュミットハンマーは、コンクリートの表面を打撃したときの「跳ね返りの強さ」を測定することで、コンクリートの圧縮強度を推定する装置です。
構造物を傷つけずに短時間で測定できるため、橋梁・トンネル・建築物などの点検や、品質管理の現場で広く利用されています。
この記事では、
・シュミットハンマーとは何か
・コンクリート強度を測る仕組み
・シュミットハンマーを利用するメリット
について、わかりやすく解説します!
シュミットハンマーとは、コンクリートの圧縮強度を推定するための測定器です。
1948年に、スイスの技術者 エルンスト・シュミット博士(Ernst Schmidt)によって開発された装置で、現在では世界中のコンクリート検査で使用されています。
日本では、リバウンドハンマーによるコンクリートの反発度測定は、JIS A 1155「コンクリートの反発度の測定方法」として規格化されており、測定手順や測定条件が定められています。
シュミットハンマーの最大の特長は、構造物を壊すことなく検査ができる「非破壊検査」である点です。
通常、コンクリートの正確な強度を知るには、建物から「コア」と呼ばれる試験体を抜き取る必要がありますが、これでは建物を傷めてしまいます。シュミットハンマーは、表面を打撃するだけで強度を推定できるため、既存構造物の維持管理や点検において非常に重要な検査方法のひとつとなっています。

シュミットハンマーは「反発硬度法」という原理を利用しています。
具体的な仕組みは以下の通りです。

打撃
内部のバネの力を利用して金属のハンマーでコンクリート表面を打撃します。

反発
打撃の際に返ってきた衝撃(リバウンド)の強さを数値化します。これを「反発値(R値)」と呼びます。

換算
R値から圧縮強度(N/㎟)を推定します。一般的に「反発が強い=強度が高い」と判断されます。
シュミットハンマーが広く利用されている理由には、いくつかのメリットがあります。
非破壊のため、既存の構造物の安全性を損なわず検査が可能です。
測定時間が短く、現場で手軽に使用できることも大きな特長です。
短時間で多数の箇所を測定できるため、建物全体の状態把握にも適しています。
シュミットハンマーは便利な試験方法ではありますが、いくつかの注意点もあります。
表面の凹凸、汚れ、湿潤状態(濡れ具合)など表面状態の影響を受け、それにより数値が変動することがあります。
シュミットハンマーの測定結果は、コンクリート強度の目安として利用することが基本であり、正確な強度評価が必要な場合にはコア採取試験などの破壊検査と併用されることがあります。
コンクリートの劣化を放置すると、ひび割れや強度の低下を招き、最終的には建物の安全性や資産価値が脅かされることになります。
シュミットハンマー試験は、いわば「建物の健康診断の第一歩」です。
といった目的で活用されます。
見た目にはわからない内部の「体力」を数値化することで、適切なタイミングでのメンテナンスが可能になります。

シュミットハンマーには、測定対象や用途に応じてさまざまな種類があります。
測定方向や強度範囲、データ記録機能などの違いにより、用途に適した機械を選定することが重要です。
当社では、用途や調査対象に応じた各種シュミットハンマーを取り扱っております。
コンクリート構造物の安全性を維持するためには、状態を適切に把握することが欠かせません。
シュミットハンマーは、構造物を傷つけることなく強度の目安を把握できる手軽な試験方法として、インフラの維持管理や品質確認の現場で重要な役割を果たしています。
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