– 地中探査レーダとは –

地中探査レーダ（GPR：Ground Penetrating Radar）とは、電磁波を使って地中の構造を可視化する非破壊検査機器です。
道路下の空洞や、埋設管、障害物などを掘削せずに探知できるため、インフラ点検・施工前調査・災害対策などで活用されています。

地中探査レーダの原理

地中探査レーダは、地表に置かれた送信アンテナから、地中へ向けて電磁波（パルス波）を放射します。
地中を伝搬する電磁波は、土層と埋設された配管、あるいは地層の境界面、空洞など、電磁波が通過する媒体の誘電率が変化する場所が反射面となり、反射面から戻ってきた電磁波を受信アンテナで捉えます。レーダは、電磁波を送信してから反射波を受信するまでの「往復時間」と、受信した反射波の「強度」を測定します。

深さの推定：電磁波の伝搬速度と往復時間から、反射面までの深さを計算することができます。電磁波の速度は、誘電率によって変化するため、地中の誘電率を考慮して深さを算出します。
物体の特定：反射波の強度は、境界面での電気的特性の差が大きいほど強くなります。金属のような誘電率の大きな物体は、強い反射波を発生させます。また、測定データを二次元の断面図として表示することで、埋設物の形状や位置を可視化できます。
レーダ本体を移動させながら連続的に測定を行うことで、地中の断面図を作成します。埋設物や空洞は一般的に双曲線（逆V字型）の反射波形として表示されます。これは、アンテナが埋設物の上を通過する際に、アンテナと埋設物との距離が変化することによって生じる現象です。
このように、地中探査レーダは、電磁波を地中に放射し、その反射波の時間と強度を解析することで、地中の構造や埋設物の位置、深さ、形状を非破壊的に把握する原理で成り立っています。

– 地中探査レーダ「GSシリーズ」の特長 –

– 地中探査レーダ『GSシリーズ』導入のメリット –

• 

  非破壊で地下を可視化し、
  コスト削減

  従来の掘削調査では、地面を掘り返す作業が必要となり、工期の長期化や追加費用が発生していました。GSシリーズなら地面を掘り返すことなく正確な地下情報を取得することができます。

• 

  予期せぬ埋設物による
  事故リスクを軽減

  工事中に想定外のガス管や水道管に遭遇し、配管を破損してしまう事故は後を絶ちません。これにより、作業の遅延や修復費用の増加だけでなく、場合によっては大きな事故につながる可能性もあります。GSシリーズを使用することで、事前に正確な埋設物の位置を特定し、安全に作業を進めることができます。

• 

  短時間で
  広範囲を調査可能

  手作業や図面による確認では広範囲をカバーするのに時間がかかる上に、誤差が生じることもあります。GSシリーズの中でも測定範囲の広いGS9000を使用すれば、短時間で広いエリアの測定が完了します（デモ走行では3分で150㎡を測定）。さらにリアルタイムで地中の情報を把握し、迅速な意思決定をサポートします。

よくある質問（FAQ）

• どのくらいの深さまで探査できますか？

  おおよそ2～3m程度までの探査が可能です（GS9000の高周波アンテナの場合は1ｍ程度）。
  ただし地盤の状態や対象物の材質によって探査可能な深さは変動します。
  たとえば乾いた地盤では深くまで届く一方で、水分を多く含んだ地盤では探査距離が短くなる場合があります。

• 測定結果を3D CADに落とすことはできますか？

  可能です。ただし専用ソフトウェア（GPR Insight）が必要となります。GS9000をご購入いただいた場合は標準でソフトウェアも含まれておりますが、GS8000の場合別途ご契約いただく必要があります。
  AutoCADなどの3D CADソフトに取得したデータを取り込むことで、埋設物や空洞の位置情報を図面に重ねることができ、より精度の高い施工計画に役立てられます。

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